初日はともかく、2日目、3日目は思ったより描く枚数が増え、ややシリアスに進行する。歯医者の予約みたいに何時に誰それさんという感じなのだが、とにもかくにも渡さなければならないのでちょっと考えなければならない。ある程度の簡略形にはならざるを得ないが、それでもやっぱり喜んでほしいので出来るだけ普段の絵に近づけたい。最初の写真の彼は近々最初のお嬢さんが生まれるのでその部屋に絵を飾りたいということだった。光栄だがプレッシャーでもある。しかも苦手な長毛種。私の作品は以前から観ていてとても好きだとも言ってくれるので何とか期待に応えたいと思い頑張る。カメラマンらしいが、私の気が散らないように配慮してくれながら、随分写真を撮っていた。何だかものすごくいい人でああだこうだと気を使ってくれる。娘さんが生まれたらベタだが色紙に日本語で名前を書いて送ってあげたい。次の写真の美女はとぼけた顔をしたチワワのオーナー。描き易いタイプだったのでいつもの感じでいくととても喜んでくれる。お母さんの犬も描いて欲しいといわれ、「いいよ」と安請け合いするとこれが見たこともないような長毛の犬で難航する。結局、他何枚かの絵と一緒に帰国日の前夜ホテルで朝までかかって描く。その他現場で描ききれず、そう急がないという人の分は日本に持ち帰ることとなる。つい何日か前何とかロンドンに送った次第だ。こんな調子で昼間はギャラリーにべったりというスケジュールだったので何処といって行けなかったが、その分グルメでもあるギャラリーオーナーのあさちゃんが夜は色々セッティングしてくれる。写真はロンドン一旨いと言われているベーカーストリート近くの「seashell」というフィッシュ&チップスの専門店のフィッシュ。魚が色々選べるがこれはcodというタラ系のもの。写真ではよくわからないが、これでも25cm×10cmぐらいのビッグサイズだ。これに山盛りのポテトフライ。旨いのでついつい食べてしまうが、腹はパンパンである。後日テイクアウトでイカのバージョンを買ってきてもらうがそれもバカ旨だった。これは築地にあるとウケルねー。その他も色々と美味しい店に連れていってもらった。何だかんだとこの珍道中は終わったが、来年もまたやることになった。次回はもうちょっと準備を念入りに挑みたい。今回本当に久しぶりにロンドンを訪れたが、私のイメージよりはるかに洗練されモダンな街になっていると感じた。日本などよりも変化が遅い国だろうが、それだけ時が経ったということか。それとアメリカでもそうだったが、日本人の姿が少ないように感じた。中国や韓国の人がとにかく多い。観光客だけではなく、中国の人はいろんな職種であらゆる場所に食い込んでいる感じだ。日本の国際化は出遅れている感じがする。特に若い人。少子化で日本国内は長い目で見て経済を始めゆるやかに下降期に入っている。気負った感じでなくフランクに世界に接していく必要があると思うのだが。
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